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2005年 02月 15日

バレンタイン

 2月14日、
そう、それは男としての価値を問われる運命の日。
絶対に負けられない戦いがそこにはある。

今でこそ昔のようなドキドキや期待感はほとんどないのだけれど、
中学、高校時代はそれはもう年に一度の大勝負と言っても過言ではない。

一週間くらい前からカウントダウンが始まり、
14日に近づくにつれて次第にドキドキ感が高まっていく感じ。
なんて言うんですか緊張感。

14日の朝、いつもより早めの起床。
鏡を何度もチェック。
クラスの男子の中で一番に教室に入らなければならない。
誰もいないと思った教室に気になるあの子と二人っきり・・・
なんてこともあり得ないこともない。

学校に到着。
下駄箱、第1の山場。
高鳴る鼓動を抑え、周囲を確認。
誰もいないことを確認して、自分の靴箱を開ける。
しかし、そこには何もない。
「まぁ、まだ一日の始まりに過ぎない。」
と、自分に言い聞かせて教室へ。
この日はなんでも前向きに捉えようとする。

朝の教室、第二の山場。
教室の戸を開けると数人の女子と男子。
自分より早く来ている男子を見て、同じこと考えてやがるな、と察する。
なぜかこの日だけはすごく女子の視線を意識したりする。
悟られないように注意を払い、自分の机に向かう。
ここで、もう一つの山場を迎える、机の引き出し。
漫画やドラマでは引き出しの中にチョコが仕込まれているパターンが多い。
ここで期待をしないやつはいない。
ゆっくりと、中を覗き込む。
いつもと何も変わらない。
もう一度、確認してみる。あくまでも悟られないように、慎重に。
やはり、何もない。

授業中。
授業に集中できるはずがない。
午後~放課後のプランを立てる。
どこかで一人っきりになる環境を作らなければならない。
なぜなら、他の男子といっしょにいるとチョコを持った女子が近づきにくくなるからだ。

放課後。
ここからが正念場。
授業が終わってからいつもならさっさと荷物をまとめて部活へ行くのだが、この日はそんなわけにはいかない。カバンに荷物を詰め込む動作が妙にスローになる。いつもしない雑談を友達と交わす。おそらく男子はみんな同じことを考えている。明らかに帰ろうとするやつが少ない。そして、敢えてバレンタインの話題を持ち出すことはない。部活の時間ギリギリまで粘るが何もないと見切りをつけ、部室へ。

部室。
バレンタインの話題で持ちきり。こいつらみんなアツイ。
クラスの雰囲気とはやけに異なる。
ここで、戦況報告。チョコをもらったやつはみんな義理チョコだ。
しかし、そいつらは本命だと言い張る。なんて前向きなやつらだ。
おれはそんなお前達が好きだ。

部活終了。
いつもより長めに自主練習をする。
みんなが帰ったとみるや部室へ。
ここからはもうラストチャンス。
帰る準備がかなりスローになる。
部室のドアを少し開け気味にすることを忘れてはならない。
しかし、何も起こらない。
帰る準備が整ってしまい、自転車置き場へ向かう。
すごく周囲を意識している。
不自然なほど歩くのが遅かったりする。
自転車置き場に辿り着く。
ロスタイム残りわずか。北朝鮮戦のようなミラクルを願う。
自転車にまたがる。ペダルをこぐ。門を出る。

・・・。
一目散に自宅へ。


と、中学、高校時代はほとんど毎年こんな感じだった。

そんな中、高校二年のとき二人の女の子にチョコといっしょに告白されたことがあった。で、そのうちの一人の子とそれをきっかけに付き合いだしたことはあるんだけれど、
ほんとにそれくらいで、あとはまったく縁がなかった。
あと、中学のときに下駄箱の靴の中にサッカーボール形の小さなチョコが入ってたことがあった。結局誰がくれたのかさっぱりわからなかったんだけれど、それはちょっと嬉しかった。

そんな淡い思い出。

by haru-bluejean | 2005-02-15 06:13


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